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恵です。
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」について。
観た。すごい観た。真剣に観た。一生懸命に観た。そして思った。「お星様お願い。庵野秀明氏とアサがどうかお友達になれますように!」(私は人見知り)そして以下、ネタバレありの感想です。




"「序」と「破」は対照的である"。
静の「序」、動の「破」。暗の「序」、明の「破」。シンプルな「序」、複雑な「破」。
これが映画を観ての私の感想でした。

「序」は、一言で表現するなら旧"新世紀エヴァンゲリオン"でした。ほぼ変わらぬスタッフが、あれから年齢とキャリアを10年以上重ね、作ったエヴァ。一つ一つをじっくり吟味し作り直して、話の進め方も人物の掘り下げ方もより丁寧に作られています。"ヤシマ作戦"の逼迫した状況下で、懸命に働く職員の姿をたんたんと描いているシーンなどはとても印象的でした。けれど、決して「新世紀エヴァンゲリオン」という枠からは、はみ出していません。それ故に、当時、夢中になって観て、今も大好きなファンの方達にはぐっと来る作品になっているのでは、と思いました←特に私。とても「渋い」「大人っぽい」作品です。しかし、新しさは余り感じさせられませんでした。

対して、「破」は"現在"でした。ワンカットずつが短く、その画面一つずつや、物語の中に情報量が溢れるように詰め込まれています。が、その思わせぶりや人物を掘り下げることなく、割とあっさりと物語は展開していきます。とにかく緩急がはっきりしていて、とにかくスピードと勢いがある作品。「破」のこの感じ。なにかに似ているな、と、見終わったあと思いました。ハルヒとかマクロスFとか……?そう。それは現在のアニメ作品でした。私の中で、あの感じに似ていたんです。「新世紀エヴァンゲリオン」を、もし "現在のアニメ風"として新しく作り直したら…というふうに見えたんです。

「破」が「序」と比べてどれだけ速いかは、ヱヴァの数が3倍以上、使徒の数が1.5倍に増えて*1いることに端的に表れていると思います。

リメイクで始まった「エヴァ」、それが "ところどころ"から"どんどん"とスピードをあげて「ヱヴァ」に変わっていく。90年代(前世紀)のアニメが、2000年代(新世紀)のアニメと、時代を超えて融合し、rebuildされていく。古きから新しきへ、その変貌が作品中で行われている。すごい。

では、その次の作品となる「Q」は、「結(名無しさん)」はどんな作品になるのでしょうか?

「序」が過去、「破」が現在を表現しているということは、「Q」は、"未来"なのかもしれません。

そしてそれは庵野氏が所信表明で書いていた「疲弊しつつある日本のアニメーションを、未来へつなげたいという願い」に繋がっていくのかもしれない、と思いました。

*1:「序」:ヱヴァ(初,0)、使徒(4,5,6)に対して、「破」:ヱヴァ(初,0,2,3,4,5,6)、使徒(3,7,8,9,10)